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奥野運輸のよもやま話~第18回~

皆さんこんにちは!
福井県吉田郡を拠点に一般貨物運送業、産業廃棄物収集運搬などを行っている
奥野運輸有限会社、更新担当の富山です。

 

 

 

リサイクル最前線

~廃棄物が資源に変わる現場から~

 

 

 

私たちが「捨てた」と思っているものの多くは、
実は「再び使うことができる資源」です。

鉄、アルミ、プラスチック、木材、コンクリート――
これらは処理工程を経て再び社会の中で活用され、
新しい製品や建材へと生まれ変わっています。

“廃棄物を資源に変える”
それが、リサイクル現場で働く人々の使命であり、
循環型社会を支える要です。


廃棄物の流れと再資源化の仕組み

 

廃棄物のリサイクルは、大きく3段階に分かれます。

  1. 収集・運搬
     企業や工場、建設現場などから排出された廃棄物を、安全に運搬します。

  2. 中間処理
     破砕・洗浄・選別などを行い、再利用できる素材とそうでないものに分類します。

  3. 再資源化
     素材ごとに加工・再生し、メーカーや建設現場に再び供給されます。

この一連の流れが、リサイクルの“循環の輪”を形作っています。


金属リサイクルの現場

 

金属類は、リサイクル効率が非常に高い素材です。

鉄や銅、アルミ、ステンレスなどは、
溶かして再び加工することで、何度でも使用できます。

例えば、
・建物解体で出た鉄骨が、新しい建築資材に
・使用済みケーブルの銅線が、新たな電線へ
・アルミ缶が、再び飲料缶として市場に戻る

これらは、資源の節約だけでなく、
新規採掘や精錬による環境負荷を大幅に減らす効果もあります。


プラスチックの再生

 

プラスチックは現代社会に欠かせない素材ですが、
同時に環境問題の中心でもあります。

リサイクルでは主に、
**マテリアルリサイクル(素材として再利用)**と
**ケミカルリサイクル(化学的に分解して再利用)**の
2つの方法が取られます。

廃プラスチックを粉砕・洗浄し、
ペレット(再生樹脂)に加工して再び製品に使う。
この工程を通じて、
本来“廃棄物”だったものが、再び“資源”として循環していきます。


建設廃材の再利用

 

建設現場では、解体時に大量の廃材が発生します。
コンクリート、アスファルト、木材など――
これらをそのまま廃棄するのではなく、再利用する仕組みがあります。

・コンクリートがら → 砕いて「再生骨材」へ
・アスファルトがら → 道路用の「再生路盤材」に
・木材 → チップ化してボード材や燃料として再利用

これらのリサイクルによって、
天然資源の採掘を抑え、環境への負荷を大幅に軽減できます。


再資源化を支える現場の技術

 

再資源化の現場では、
機械と人の両方の力が欠かせません。

重機による破砕や選別装置の自動化が進む一方で、
素材の種類や状態を見極める“人の目”も重要な役割を担っています。

長年の経験から判断される分別精度が、
最終的なリサイクル率を左右すると言っても過言ではありません。


循環型社会への道

 

「使う → 捨てる → 再び使う」
この循環を社会全体で確立することが、
今の日本に求められています。

リサイクルの推進は、単なる環境保全ではなく、
新しい雇用・産業・地域経済の創出にもつながる取り組みです。

産業廃棄物を再資源化することは、
未来の環境と経済の両立を支える礎なのです。


まとめ

 

・廃棄物は再び資源として生まれ変わる
・金属・プラスチック・建設廃材は主要な再資源化対象
・現場の技術と努力がリサイクルを支えている
・循環型社会は、環境と経済を両立させる新しい仕組み

私たちが今手にしている製品の多くは、
誰かの手で再生された「未来からの贈り物」かもしれません。
その裏で働く人々の努力と技術が、
持続可能な社会を静かに支えているのです。

 

 

次回もお楽しみに!

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奥野運輸のよもやま話~第17回~

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環境と産廃のつながり

~不法投棄・CO₂問題・適正処理の重要性~

 

 

 

地球温暖化、気候変動、海洋汚染――。
いま世界中で取り沙汰されている環境問題の背景には、
私たちの生活や産業活動から生まれる廃棄物の存在があります。

家庭から出る生活ごみと異なり、
工場・建設現場・店舗などから発生する産業廃棄物は、
種類も量も多く、扱い方を誤れば環境への影響は計り知れません。

産業廃棄物処理業は、その環境を守るために存在しています。
単に「処分する」仕事ではなく、自然との共存を支える社会的使命を担っているのです。


不法投棄が引き起こす環境破壊

 

不法投棄は、環境汚染の最たる原因の一つです。

山林や海岸、空き地などに投棄された廃材や廃プラスチックは、
雨や風によって風化し、微細な粒となって土壌や水に溶け込みます。
この「マイクロプラスチック」が川や海に流れ出すことで、
魚や海鳥が誤って摂取し、最終的には人間の体内にも取り込まれてしまう――
そんな連鎖が現実に起きています。

また、廃油や化学物質を含む廃棄物が地中に染み込むと、
地下水を汚染し、長期的に農作物や飲料水に影響を及ぼす危険もあります。

見えないところに投棄されたごみは、
やがて見えない形で環境と健康を蝕むのです。


CO₂排出と運搬の課題

 

廃棄物を適正に処理するためには、
中間処理施設や最終処分場への「運搬」が不可欠です。
しかしこの運搬過程でも、トラックの燃料消費によるCO₂排出という問題が生じます。

環境負荷を少しでも減らすために、
業界では次のような取り組みが進められています。

  • 収集ルートの最適化による走行距離の削減

  • 積載効率の向上による輸送回数の削減

  • アイドリングストップや省エネ運転の徹底

  • 電動車両やハイブリッド車の導入

「ごみを処理するための活動」自体が環境負荷を生まないようにする。
この意識こそ、現代の産業廃棄物処理業が進むべき方向です。


適正処理で守られる未来

 

廃棄物処理には、「中間処理」と「最終処理」があります。
中間処理では、燃焼・破砕・選別などを行い、
再利用可能な資源を取り出します。

この過程が適正に行われることで、
不法投棄の防止だけでなく、資源の再利用率向上、
さらには温室効果ガス排出の抑制にもつながります。

正しい処理を続けることは、単に法令を守るためではなく、
次世代へ“きれいな環境”を残すための投資でもあるのです。


社会全体が支える仕組みへ

 

産業廃棄物処理業だけが努力しても、環境問題は解決しません。
排出する企業、運搬する業者、処理する事業者、
そしてそれを利用する消費者――。
すべてがつながり、支え合うことで「循環」は成り立ちます。

社会全体が環境への意識を高め、
一人ひとりが“出したものの行方”を意識する。
それこそが、未来への第一歩です。


まとめ

 

・不法投棄は土壌や水質を汚染し、長期的な被害をもたらす
・廃棄物運搬にもCO₂削減の取り組みが必要
・適正処理は、環境と地域を守る社会的使命
・産廃業界は「循環の中核」として未来を支える存在

目に見えない努力が、地球の明日を守っている。
それが、産業廃棄物処理に携わる人々の誇りです。

 

 

次回もお楽しみに!

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